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2024/02/01

 ハーブと医薬品の相互作用

 ハーブと医薬品の相互作用の具体例

ハーブと医薬品の薬力学的薬物相互作用と薬物動態学的薬物相互作用の具体例を示します

(参照『ナチュラルメディシン・データベース』Jahficなど)

1.アスピリン(アセチルサリチル酸)

ウィロウバーク セイヨウシロヤナギ(鎮痛)
メドウスィート

バーチ(白樺)との併用は、サリチル酸を含むため作用を増強し、有害作用が生じる可能性があります。

※ホワイト・ウイローバークから痛みや発熱に効く有効成分の分離に成功して「サリシン」と名付けられましたが、そのサリシンは大変苦味が強く当時のヨーロッパの人々はそれを利用する事はありませんでした。その為、多くの研究者はサリシンの苦味を無くす研究を続け1,800年代も終わるころドイツの製薬会社がサリシンを分解して出来るサリチル酸からアセチルサリチル酸の合成に成功し、このアセチルサリチル酸を「アスピリン」と命名したのです。アスピリンは処方箋なしで利用できる鎮痛剤として、世界中でいろいろな製品名で販売されていますが胃腸障害などの副作用があるという事で最近では再びサリシンを含むホワイト・ウイローバークに注目が集まっています。

2. アトルバスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)

ブラックコホシュとの併用は、肝障害のリスクを高める可能性があります。

3. アルツハイマー型認知症薬(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬)

イチョウ葉やトウゲシバ(学習・記憶の保持・認識・記憶障害・焦点・集中に効果が期待できます)との併用は、同様の作用があるため、有害作用が生じる可能性があります。

4. 胃酸分泌抑制薬(H2ブロッカー・プロトンポンプ阻害薬)

デビルズクロウなどの苦味ハーブとの併用は、胃酸の分泌を促進するため、作用を減弱する可能性があります。

5. エストロゲン

マテやコーヒーとの併用は、エストロゲンがカフェインの分解を抑制するため、カフェインの有害作用が生じる可能性があります。アニス、フェンネル、チェストベリーとの併用は、エストロゲン様作用をもつため、エストロゲン受容体と競合しエストロゲンの作用を減弱する可能性があります。

6. エフェドリンおよびテオフィリン(気管支拡張薬)

マテやコーヒーとの併用は、交感神経系への作用を増強し、心臓への負担が生じる可能性があります。

7. 経口薬

経口的に摂取する薬とアイルランドモスやアルテア(マシュマロウ)、ウスベニアオイなどの粘液含有ハーブを併用すると、薬の吸収を阻害する可能性があります(この相互作用を防ぐためには、両者を1時間以上あけて服用します)。

8. 経皮吸収型製剤(エストロゲンパッチ、ニコチンパッチなど)

l-メントールやd-リモネンを含む精油は、経皮吸収促進作用があるため、使用部位が重なると薬の経皮吸収を高める可能性があります。

9.血液凝固抑制薬(抗凝固薬・抗血小板薬)

イチョウ葉やフィーバーフュー、ジンジャーやアンジェリカ、デビルズクロウやマテなどのカフェイン含有ハーブとの併用は作用を増強し、紫斑や出血を生じる可能性があります。ネトルとの併用はビタミンKを含有するため、ワルファリンなどの抗凝固薬の作用を減弱する可能性があります。クローブやシナモン、バーチ(白樺)やウインターグリーンの精油との併用は、作用を増強する可能性があります。

10.抗甲状腺薬

ブラダーラック(ヒバマタ)との併用は、ヨウ素を含むため甲状腺機能に影響を与える可能性があります。

11.ベンゾジアゼピン系鎮静薬

バレリアンとの併用は、同様の作用があるため過度の眠気などの有害作用が生じる可能性があります。クラリセージの精油など鎮静・鎮痙作用をもつ精油との併用も、同様の可能性があります。

12.アカルボース(α-グルコシダーゼ阻害薬)

マルベリーと併用すると同様の作用があるため、過度の糖吸収の抑制が生じる可能性があります。

13.パーキンソン病治療薬(ドーパミン作動薬)

チェストベリーと併用すると、同様の作用があるため有害作用が生じる可能性があります。

14.パロキセチン(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

セントジョンズワートと併用すると同様の作用があるため異常発汗、振戦、興奮、頭痛といったセロトニ

ン症候群などの有害作用が生じる可能性があります。

15. 光感作薬(光の感受性を高める薬)

セントジョンズワートやネトルなどのクロロフィルを豊富に含むハーブとの併用は、同様の作用があるため露出部に日焼け、水疱、炎症などを生じる可能性があります。ベルガモットやアンジェリカの精油などフロクマリン類を含む精油との併用も、同様の可能性があります。

16. 偏頭痛治療薬(トリプタン製剤)

セントジョンズワートとの併用は、同様の作用があるためセロトニン症候群などの有害作用が生じる可能性があります。

17.免疫抑制薬

エキナセアやキャッツクロー、ペラルゴニウム・シドイデスやミスルトゥー(西洋ヤドリギ)と併用すると、作用が減弱する可能性があります。

18. チアジド系利尿薬

ネトルやバーチ(白樺)、コーンシルクやダンディライオンなどと併用すると、作用が増強し、めまいや低血圧などの有害作用が生じる可能性があります。

19. 甘草を含む漢方薬

リコリスとの併用は、甘草の有害作用である偽アルドステロン症や低カリウム血症による浮腫や高血圧、ミオパチー(筋肉の痙攣や筋力の低下)などのリスクを高める可能性があります。

20. 桂皮を含む漢方薬

マルベリーやニガウリと併用すると、過度に血糖を低下させる可能性があります。またハーブや精油による肝障害や皮膚過敏症のリスクを高める可能性があります。

ナチュラルメディシン・データベース

(記事はお借りしました)

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